外反母趾とは、足の母指(親指)の関節が人差し指のほうに「くの字」に曲がってしまうことです。
くの字に変形し曲がったところが押すと痛んだり、靴を履くと痛みがでたり、靴を抜いでも痛かったり してしまうこともあります。

何度以上を外反母趾というか? 測定法は?
ハッキリとした定めは実はなされないと記載もありますが日本の外反母趾診療ガイドライン2022(最新)では 外反母趾角(hallux valgus angle HV角)20°以上が外反母趾であると定めています。
文献によって角度は若干事なりますが 20~30°が軽度 30~40°が中等度 40°以上が重症とされてひどいと手術ともなります。
ちなみに海外では15~20°から外反母趾と呼んでいるそうです。
当院が考えるもっともの原因は「回内足(かいないそく)」です。
内足とは、踵の骨が内側に傾き、足首が内側に倒れこんでしまっている状態のことです。
足首が内側に倒れこんでしまい
①アキレス腱が内側に倒れこみ
②土踏まずが潰れてなくなる
③後ろからみて小指が見えている
以上のような状態のことを差します。
これがひどいことを「過回内(かかいない)」といいます。

加齢や運動不足による筋力低下 使いすぎ、土踏まずを構成する筋肉の機能不全 肥満による体重増加で内側アーチが体重を支えることが困難 などがあげられます。
回内足になることにより→土踏まずが潰れて偏平足になる→足の親指に「くの字」の圧力がかかる→繰り返しの圧力で外反母趾の出来上がり といったメカニズムになります。
履物の選び方で随分と外反母趾には影響が出ていると当院では考えています。
まず1965年の論文になりますが裸足の生活者と靴を履く習慣がある人との比較を行った結果、 外反母趾発生率 靴を履かない→2% 高齢者の靴を履いている群 男性→全体の16% 女性→全体の48% 以上の結果と靴を履く方が外反母趾が多く発生していました。
また、石垣島など沖縄民で鼻緒のある足袋(たび)をよく履く住民と愛知県民を比較した論文では 石垣島 70歳代 10.4° 80歳代 11.2° 90歳代 9.2° 愛知県民 70歳代 16.3° 80歳代17.5° 90歳代 16.3° と、全体をカバーする靴よりも鼻緒の裸足に近い方がやはり外反母趾角か少ないと結果が出ました。

ですが現代社会では靴を履かない生活をすることが困難なため、どうすればよいかお伝えします。
「痛み」があるのならクッション性が高いもの。
外反母趾の部分が当たって痛みが出ない横幅が広いものを。
まず考えうる内容というと、こんな感じではないでしょうか?
違います。もう一度いいます。違います。(当院の20年勉強してきた考えでは)
以下の内容では、どんな靴がいいの?サイズは?クッション性は?などをお話いたします。

実はあなたの外反母趾は70%が「回内足」が原因と言われています。
足首が内側に倒れ、土踏まずが潰れ、アキレス腱が内側にたわみ、後ろから小指が見えている状態のことです。
回内足は踵が内側に倒れるところから始まります。
つまり踵が内側に倒れないようにがっちり踵を固めてくれる靴が良いんですね ご自身の靴で踵が硬い押したりして確かめてみましょう!

人間の足はつま先しか曲がりません。
足の土踏まずの頂点付近。
靴の真ん中をくの字に曲げてみると簡単に曲がってしまう靴は多数ありますが、そんなところで足は曲がりません。
なのにくにゃくにゃと曲がってします靴は足にはよくないとされています。
つま先だけで曲がるか確かめてください。

歩く、走るには足を縦の方向に使うのほかに、横ぶれや捻じり(ねじり)もあります。
過度に柔らかすぎると捻じりを誘発してしまうため、硬くて捻じりづらいか確認してみましょう。
クッション性を上げる靴、反発が強い、進みやすいなど、競技力を上げる靴の話はしていません。
また、競技力を上げる靴選びですと関わっている競技や本人の感覚、筋力など選ぶのが相当難しくなります。
ここでは競技力向上より、どこかに痛みがあり足を守るためのお話をさせていただきたいです。
基本の基準は踵が硬く、つま先だけ曲がり、捻じりづらい靴が正解になります。
基準を満たす靴には4000円台のものから、20000円くらいのものまであります。
ご連絡いただければ足の評価をしておススメの靴も紹介いたしますよ(^^)/
クッション性が高いと足を守れる!やわらかいとはきごごちがいい!とのご意見もあるのですが、、 立ってるだけならいい感じがするかもしれません。
グニャグニャしている靴ですと歩く時のサポート機能は弱いんです、、 一日中歩いて疲れるのは実はやわらかすぎる靴だからかも?
そのままスポッと脱ぎやすい、履きやすい靴は確かに快適です。
ですが着脱しやすいよう踵がやわらかい事が多いです。
踵がやわらかい靴は痛みの原因となる回内足。
「かかとの歪み」を引き起こしやすいんです。
皆さんサイズは聞いたことがありますよね?足の縦幅のことです。
スポーツメーカーのナイキでの調査ではほとんどの日本人は間違ったサイズの靴を履いているというデータが出ています。
なぜ間違っているのか? 答えはウィズ(ワイズ)が合っていないからです。
聞いたことのない言語かもしれませんが、ウィズとは足の周径のことです。

身長や体重のように 足のサイズ(縦幅) 足のウィズ(周径) 以上2つを測って靴を選ばなければならないのに、おもむろに足を靴に突っ込んでみて「この靴だとキツいから、もうワンサイズ上なんだろうな」とサイズがきついのか?ウィズがきついのか? 何がきついかもわかってなかったりします。
サイズ(縦幅)だけを見て靴を選ぶため、横幅ブカブカの靴をほどんどの方が選んでしまっているんです。

ちなみにスポーツシューズなど売られている箱をみてみるとサイズとウィズ(Width)と、縦幅と周径は書いてあるんですね
当院ではサイズ、ウィズの測定と足の写真を撮り、正しい靴のリストをご用意しています。
正しい靴に変えただけでも外反母趾の痛みや角度の改善 に効果が見られることがあります。
ご連絡いただければ足の評価をし1人1人にあった靴の提案をさせていただきますよ(^^)/
ハイヒールについては皆様も考えてみると足に悪そうだな、、と思ったりはしませんでしょうか?
20歳~39歳までの女性では外反母趾の発生に影響があるとデータがでており 40歳~66歳の方でハイヒールを使用している女性では足の痛みと胼胝(タコ)が発生していると出ています。
ヒールの高い靴を履く先に体重が強くかかり、母指の付け根から先が圧迫をされ変形します。
ヒールが4.0cmで体重の1.5倍。
9.0cmで3倍圧力がかかります。
高くても3cm以内を当院ではおススメいたします。
76の研究データ、50万人を対象とした論文では 発生率は18歳~65歳で23% 65歳以上で35.7% 男性は13% 女性は30% と女性に多かったようです。
また未成年の外反母趾の発生については、まず幼稚園児での外反母趾の発生はまれです。
小学6年生から中学生に対しては男女とも発生しておりやはり女性に多かった。
中学1年から3年に上がるにつれて増加しており 3年生の時の発生率は全体では29% 男子 26% 女子34%だったようです。
2022年が最新の情報になりますが遺伝に関しては、「遺伝が関係ある!」と書いてある論文や、 「関係あると書いてある論文は細かいところまで検査できていないため関係ない!」など、 現時点では遺伝子レベルまで彫り込んでの調査はされているもののハッキリしたことはわかっています。
Ⅰ:9~10歳から3年間無治療で経過を追ってみたデータでは(93例。追跡率73%)外反母趾角度(HV角) が増大しました。
Ⅱ:中学生79名に対し1年生から1年ごとに3年経過を調査したのものでは外反母趾の角度は 男子13~26% 女子22~34%といずれも角度が増加をした。
Ⅲ:成長期の外反母趾に対して2.8年追跡した報告では(133足。最短でも1年以上の経過観察)年間で0.8ずつ角度が増加していきます。
10年経つと進行はしますが増加の角度はそれぞれ減ってはいったようです。
Ⅳ:思春期から成人早期の外反母趾の自然経過では(216足期間は5年1か月)親指の関節の適合性が良い外反母趾は変形は進行しなかったが亜脱臼(ガクンと関節が外れてしまう)を伴う外反母趾だった方の経過は悪化をしていた。
結果、外反母趾を放置し続けると以下のような不具合が生じる可能性があります。
足の裏、母指球から小指球に抱えての前足部あたりを差します。
外反母趾になると横幅は結果的に広がるため前足部にかかる負荷が上がり痛みが出ると考えられます。
親指の外反母趾の増悪により親指が第2.3の指の下に入り込みこれらの指が持ち上げらえると同時に付け根にある関節が脱臼してしまこともあります。
外反母趾との関連性はたびたび議論されますが内反小趾の75.6%(224/366例)に外反母趾があったと報告されています。
外反母趾患者の神経障害について48例の症例検討では77%の感覚障害がみられました。
足の親指、外反母趾になった部分の拇趾背側内側皮神経が外反母趾により圧迫を受けるためです。
15°以上変形している外反母趾29足を検査してみた論文ではでは70%が程度、軟骨損傷の深度は50%以上削れているのが46%、軟骨の下の骨まで削れているのが33%
40°以上の変形では拇趾外転筋、短拇趾外転筋の筋力低下も見られたという結果がでています。
推進力の低下や親指が体重を支える機能が低下したりします。
最大歩行速度が遅く、歩幅が小さくバランスが悪くなります。
また、外反母趾痛みでおかしな歩き方になり膝、腰の痛める原因になることもあります。
偏平足により土踏まず(縦アーチ)と共に、前足部の横アーチも低下し平らになってしまいます。
そうなると本来地面にあたらない圧力で足の2~4指が地面にあたり、胼胝(ベンチ:タコ)が出来てしまいます。
また、親指の付け根には「バニオン」というはれや発赤、疼痛が伴うことがあります。
親指はねじれながらくの字に曲がるため体重の負荷が爪の側面にかかり親指の爪は次第に巻き爪になってしますこともあります。
どこにどんな炎症があるか?変形の度合いは?詳しく画像でみたい方はレントゲン撮影などがよいかと思われます。
痛み止めや湿布などで一時的に炎症をおさえ痛みがでないよう自然治癒を待つ、角度がひどくなっていけば手術やインソールの処方も してくれると思います。
痛みがなくなった、だけでは痛みの「対処」に過ぎず、なぜ痛みが出ているの?痛みが出る原因を潰さない限り症状は繰り返します。
なぜ痛みが出てしまったのか?当院では足の写真、歩き方の動画を撮り一緒に見ながら患者様の足を評価し点数化いたします。
そのうえでなにが原因で痛みが出ているかを見つけ、対応をしていきます。
外反母趾、足底腱膜炎(足底筋膜炎)をはじめとし、モートン病やセーバー病などくるぶしから下の症状。
足の裏の痛みについて改善がはかれる整体です。
足の裏の筋肉、一本一本の指、足首周りの骨、ふくらはぎを特殊な整体方法で調整し、痛みを改善に導いていきます。
一回目で足の裏の変化が実感できます。
症状により1か月~3か月を施術期間としています。
足病医学に基づいた矯正インソールであるフォームソティックスは身体の土台である足の骨配列(アライメント)を正常な位置に近づけてくれます。
足を矯正すると全身のアライメントが整うため、足や腰の負担が軽減できるのです。
シンスプリントや腸脛靭帯炎、足底腱膜炎(足底筋膜炎)、の痛みに対してのアプローチや予防、負担の軽減にも役立ちます。
(※効果の度合いは個人差があります)
以上が当院でお手伝いできる内容となります。
「症状」というのは例をあげると虫歯と一緒です。
早めに対応しておけば簡単に済んだりもしますが遅くなるほど症状は重く悪化し時間がかかってしまいます。
早めの対処が功をなしますよ(^^)/